ナンパ師逮捕のニュースを受けて、あるいは「パスをもらう」という行為について

公家シンジ
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「100人ほど連れ込んだ」 女性乱暴の疑いで「ナンパ師」セミナー受講生の東京メトロ社員ら2人逮捕
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180509-00000562-san-soci


ヤフーニュースに出てた。

これはもちろん恋愛道場で提供している部屋ではないが、東京メトロの職員ってことは業務中に日々ナンパを目撃するわけで、そこら中で女がひっかかってるのを目の当たりにして自然と欲が芽生えてきちゃったんだろうか。

今回のこの一件は、

・これまで100人ほどを常習的に連れ込んでいる→ルーティン
・「ハウス」と呼ばれる専用部屋に連れ込んでいる→計画性がある
・ウォッカという強いお酒を飲ませている→女の理性を強制的に飛ばそうとしている


などからわかるとおりかなり戦略的にみえる。ただどれだけ戦略的にリスクをコントロールして成果を得ようと画策していても、自分も酒に飲まれて理性のタガが外れてしまったり、もしくは一緒にやっている仲間がいることで気が大きくなってしまったりといった衝動の罠はたくさん潜んでいます。自分自身の衝動を律するというのは、ナンパにかぎらずリスクのある事に従事する際にはとても大事ですが、そういう衝動が起こりそうなシチュエーションをわきまえておくというのも劣らず大事なことでしょう。「自分は理性的だから大丈夫」と思うよりも、「人間は強い衝動には抗えないのだ」と思っておくくらいがよさそうです。

パスをもらうという行為

ぼくが最近懸念している「衝動がらみのトラブルでありえるシチュエーション」を書いておきます。

「パスをもらう」という行為について。

この業界では「誰かがセックスした女のおこぼれにあずかる」ことを「パスをもらう」という表現をする。そもそもセックスというのは惹かれあった男女1:1の関係の結果成立するものだが、セックスが終わった後に、男のほうが自己顕示欲求や男同士の連帯感を求める気持ちからか、女を自分の後輩や仲間に差し出したい気持ちになることがよくあって、女のほうも貞操が緩かったりすると、一度セックスをした男からの要求ということもあって、その後輩の方とも比較的容易にセックスの関係を持つことがある。しかし、その女と後輩とはそもそもほとんど何のコミュニケーションも交わしていないことも多いため、心理的な関係が構築されないままセックスをすることになる。そうすると女は後から何かの拍子で気分を翻したり害することも多く、トラブルになりやすい。

それでぼくが見てきたところ、なんの疑問も衒いもなく先輩からの「パスをもらう」ことに甘んじている男は非常に多い。これは腑抜けた精神だと言わざるをえない。ナンパのプロセス、複数プレイのプロセスを一度味わってみたいという初心者ならまだしも、ナンパ歴がある程度長いにもかかわらず、「もらえるものはなんの疑問もなくもらう」という乞食根性があるなら一度反省してみるといい。無料でもらえるものほど怖いものはないし、これはぼくに特有の潔癖な考え方かもしれないが、「自分はそれを受け取るに値するのか」ということを少し考慮してみたらそんなものには手が出せなくなるはず。あなたの先輩があなたにパスをするのは、もちろん善意の気持ちもあるでしょうが、「後輩からの尊敬を勝ち取りたい」「ケチな男だと思われたくない」「女からのさらなる承認を勝ち取りたい」というような凡庸な自己顕示欲からきた示威行為だと言うこともできる。あなたは彼のそういう欲を満たすための道具になっているというふうに考えたことはあるだろうか?

そもそも「パスをもらう」という行為は、精神的な成長にはなにひとつ寄与しない。とぼくは考える。むしろそれは極めて悪影響である。自分の独立心を阻害し、他人からのコントロールに依存することになる。物事の道理をわきまえる思考を奪われ、欲望に受動的に流される人間になっていく。何の思考を差しはさむこともなく、あてがわれる快楽を自動的に享受することに慣れてしまったなら、人としては末期状態に近い。欲望を受動的にむさぼる人間にはもちろんリスクコントロールなんてできるわけないので、なにかしらのトラブルがあったときは真っ先に泣きをみることになる。あなたがナンパをしているのは、受動的な性の快楽を味わいたいからなのか?労することない即の仕組みを構築したいからなのか?ナンパ師コミュニティに帰属してそこでの風習に従うことで居場所を得たいからなのか?

先輩からのパスをしっかりと受け取ることで感じるあの連帯感はあなたに大きな安心感を与えるかもしれない。そのパスを拒絶することでとても不安で孤独な気持ちになるかもしれない。だがパスを出す当の先輩があらゆるトラブルに対応して皆のリスクをしっかりとコントロールできる熟練者だという保証はどこにある?(技術的信頼)また先輩との関係に容易には断ち切れないような強固なつながりがあると本当に信じれるだろうか?(精神的信頼)最後にシンプルな指針だけ提示しておく。「安易にパスをもらうな」たとえ勝算が薄かったとしても、自分がいいなと思った女の人に1:1で対峙して口説き落としていくほうがパスをもらって抱くよりかはよっぽど健全な精神を培える。こちらからは以上です。